2022.06.29 最終更新
大学中退者の低すぎる就職率と将来に向けた対応策
しかし、日を追うごとにお金の面で心配が増してくることがあるのではないでしょうか。
・お金のためにも就職したいけど就職できるんだろうか。
・どんな仕事に就職できるんだろう。
大学中退者が悩みを抱えたまま就職活動に取り組むとうまくいかない状況に陥ってしまうことがあります。
今回は大学中退してしまった人の就職率や就職で失敗しないための方法をご紹介します。
・大学中退者の就職率は34%
・最終学歴が「高卒」となるため申し込める求人が絞られる
・まずは就職してみてそこからキャリアアップを目指そう
1.大学中退者の就職率の現実とその理由
大学中退者の就職率に関しては2015年に調査されたデータでは34%と半分以上の人が就職ができてない調査結果が報告されています。
参考:大学等中退者の就労と意識に関する研究
https://www.jil.go.jp/institute/research/2015/documents/0138.pdf
就職率が低すぎる理由はいくつかありますが、一番はやはり学歴が高卒になることでしょう。
つまり、せっかく大学に入っても中退したことで高卒扱いとなり、大卒と比べて格段に就職率が低下してしまうわけです。
条件が「大卒以上」の求人に申し込めないため、枠が格段に減ります。
求人の絶対数が大幅に減ってしまう、これが大学中退者に突きつけられる現実です。
中退者と一口に言ってもどれだけ学び、どの時点で大学を辞めたか人それぞれで異なります。
しかし、一人一人の内容を調べるのは難しく手間なので、企業は大学中退者を一律に高卒扱いとしています。
これでは能力があっても就職は難しいですし、就職率が34%という低水準なのも頷けます。
もちろん、就職できる可能性はありますし、諦めない限りチャンスは手元に残ります。
大切なのは大学中退者の就職率は34%という現実を受け止めつつ、自分にとって正しい選択をすること。
在学していて判断を決めかねているのであれば、時間が許す限りじっくりと考えて結論を出すことをおススメします。
まだ中退をしていない状態であるならば、中退せずに済む方法を検討しましょう。
ただ、既に大学を中退してしまっていても、そこから就職に向けて心機一転取り組むことは可能です。
当然ながらそのままでは就職率が34%止まりなので、就職の可能性を高める取り組みが不可欠。
ポイントは企業が欲しい人材というものを考えることです。
そして企業が採用したいと思える人材を目指すことこそが、低すぎる就職率34%の壁を超える鍵を握ります。
2.大学中退でも就職は可能なのか
大学中退者の低すぎる就職率ですが、仕事を選ばなければ就職はできます。
選ばなければという条件がつく通り、選択肢の幅は狭いことを理解しましょう。
①高卒と大卒の求人数
高卒における求人数が多い業種。
建設業(求人数:66,231)
卸売業小売業(求人数:56,287)
医療、福祉(求人数:45,397)
宿泊業,飲食サービス業(求人数:25,825)
参照:厚生労働省令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000178038_00003.html
大卒における求人数。
製造業(求人数:279,200)
サービス情報業(求人数:93,200)
建設業(求人数:88,200)
金融業(求人数:10,700)
リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査」(2020年卒)
https://www.works-i.com/research/works-report/item/190424_kyujin.pdf
合計求人数を比較すると、
・高卒:331,998
・大卒:804,700
求人数だけでも2倍以上の大きな差があります。
また、高卒以上が条件の求人に大卒の方が申し込むことはできます。
しかし、大卒以上の条件の求人に高卒の方が申し込むことはできません。
②生涯賃金の違い
収入を得るためにとりあえず働くことはできます。
しかし、目先のお金ばかり考えて仕事やアルバイトに就いてしまうと将来的に後悔することも。
男性における生涯賃金の差は3470万円となっています。(60歳まで退職金を含めない。)
高校卒: 2 億 5800万円
大学卒: 2 億 9270万円
高卒と大卒の金額差 3470万円
女性における生涯賃金の差は5600万円となっています。(60歳まで退職金を含めない。)
高校卒 :1 億8800万円
大学卒: 2 億 4400万円
高卒と大卒の金額差 5600万円
参照元:ユースフル労働統計2020―労働統計加工指標集―
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2020/documents/useful2020.pdf
大学の学費を支払ったとしても、大学を卒業して「大卒」の資格で得られるものは多いです。
3.大学中退者が選びがちな就職先
大学中退者が就職先として選びがちな仕事には傾向があります。
短期的には就職しやすいものの将来的な転職が不利になる職種が多いです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の大学中退者の就労と意識に関する研究では、大学中退者の就く仕事の就職率を軸に、業界・職種の傾向を紹介しています。
大学中退者の就く職種を軸に、就職率を紹介すると、以下の通りとなります。
2位:販売の仕事17.2%(スーパー、コンビニ、百貨店など)
3位:専門職・技術職12.4%(メーカー、ITなど)
4位:事務職7.4%(幅広い業種)
5位:生産工程の仕事7.4%(メーカー)
6位:運搬・清掃・包装等4.6%(清掃会社など)
7位:輸送・機械運転・建設・採掘 4.1%(倉庫業、運送業、建設業など)
参考:大学等中退者の就労と意識に関する研究|労働政策研究・研修機構(JILPT)
https://www.jil.go.jp/institute/research/2015/documents/0138.pdf
代表的なものとして、サービス業を選ぶ人が思いの外多いことに。
サービス業は常に人材が不足していることから就職のハードル自体は低いです。
具体的にはパチンコや飲食、ホテルなどの宿泊施設です。
特に飲食では、多くの新卒が辞めていってしまうことが。
そのため、新卒を大量に採用している傾向にあります。
収入源がないと不安になる気持ちはわかります。
しかし、だからといってとりあえず就職できれば何でも良いと安易に選んでしまうのは危険です。
例えそれが正社員採用であっても、将来のことを考えるなら十分に検討すべきでしょう。
決まりやすそうなところを選ぶのも、大学中退者によくある就職先の選び方です。
サービス業を選ぶ場合も、
「1年間で転職に有利となるような実績を出す」
「3年以内に課長を目指す」
のように、あくまで人生を考えた上で就職先を選び、行動することが大切です。
4.キャリアアップを考えよう
大学中退者でも、将来に向けて対策することはできます。
まずは足掛かりとなる企業の就職を目指すときも、とりあえず就職ではなく、
・身に着けたいスキルは?
・何歳までにどれくらいの実績を上げるのか?
など自己分析をしておきましょう。
「何年間いるのか?」、これは文字通りですが、その後の人生設計を考えるうえで大切なポイントとなります。
「身に着けたいスキルは?」、これはキャリアアップを考える上で重要です。転職を見据えてスキルが得られる企業への就職を目指すべき。
「何歳までにどれくらいの実績を上げるのか?」、これは転職市場において実績がモノを言うため必要です。
数字で実績を見られ、その数字を達成するためにどのように考え、どのように行動したのかがポイント。
転職によるキャリアップもあれば、企業内でのキャリアアップもあります。
その企業で重要なポストについたり、役職について収入のアップを目指すことは可能です。
ところが、企業によっては能力を発揮するのが難しかったり、成果を出しても正当な評価が受けられない企業もあり得ます。
そういう企業では一生どころか長く働くべきではありません。
転職でキャリアアップするのか、同じ企業内でステップアップしていきたいのか、先送りにせず、考えていきましょう。
キャリアアップというと難しそうなイメージがあるかもしれません。
自分一人で考えることが難しいのであれば、周りの親や友人に相談してみたり、就職支援サービスに頼るのも手です。
就職支援サービス「Actbiz」の活用
大学中退者へは就職支援サービス「Actbiz」をおススメします。
大学中退後からKDDI株式会社採用へ進んだ実績もあります。
インタビュー記事にもある通り、全ての方にTeaching Assistant(以下、TA)という専任のキャリアコーチング担当が必ずつきます。
いつでも相談できる環境と、月一回以上の面談を通してキャリアについて一緒に考えていきます。
Actbiz|申し込み、1年間の就業と教育、就職までの流れ
https://www.a-cute.co.jp/actbiz/service
カウンセラーによる無料のキャリア相談もあるので、「就職について話だけでも聞いてみたい」という方でも大丈夫。
無料キャリア相談窓口はこちらから。
https://www.a-cute.co.jp/actbiz/
一人で考えても答えが出なければ、周りに相談してみるという行動が将来への一歩となります。
まとめ
何事においても、現状をしっかりと把握し、行動することが大切です。
大学中退者は学歴が「高卒」となるため、求人票の募集条件で枠が狭くなります。
また、就職率34%と低い結果となっている背景には、明確な目的がないまま大学を中退してしまった方が多いためです。
そういった現実を受け止めた上で、将来の人生設計を見据えた行動を起こすことが大切になります。
自身の将来を考え、就職先で身に着けたいスキルや得たい実績を獲得していくことがポイントに。
周りに相談したり、就職支援サービスを活用することが自分の描く将来への一歩となります。