2022.06.29 最終更新
無職に襲いかかる絶望と不安の戦い。焦りと罪悪感に向き合う方法4選
不安と絶望でどうすればこの環境から抜け出せばいいのかと今後のことを考えるだけで眠れなくなる毎日。今回はそんな人のために無職の期間の不安と絶望との向き合い方を解説していきます。
・人間関係、金銭面、社会的信用、健康面という不安
・不安を解消するためには早めの行動が必要
・どう行動すべきか分からない場合は国や民営のサービスに相談する
1.無職に襲いかかる4つの絶望と不安
・人間関係の不安と絶望
無職期間が長くなると人との交流が減っていきます。
一般的な人と交流すると働いていない自分を比較してしまい、惨めな気持ちになってしまいかねないことから、交流しにくいと考えたりします。
無職期間が続いたことで精神的にすり減っていき余裕がなくなり、つい他人に対して厳しく当たってしまうなどして、周りから人が離れていく場合も。
また、逆に周りの人も無職相手に気を使ってしまい、ちょっと誘いにくいと距離を置くケースが多いようです。
しかし、他人との交流がないと落ち込みがちになる人も多いです。
ただでさえ、無職になった不安で気分が滅入っている状況で交流がなくなるダブルパンチで精神的にさらに大きく落ち込んでしまう人も。
・金銭的な不安と絶望
無職になれば基本的に収入がなくなります。
そのため、働けない期間が長引けば長引くほど貯金がみるみるうちに減っていきます。
将来のためにと積み立てていたものにも手を付けはじめたり、減っていく銀行口座の数字を見ていくたびに将来どうすればいいのかに不安が募ります。
また、冠婚葬祭などで身内の幸福や不幸にもお金が出す余裕がないと、自分自身を情けなく感じてしまうことも。
貯金があればいい方で、今月生きていく金銭すら絶望的な状況の人もいます。
実家に頼れる場合は親に泣きついてどうにかしてもらったり、それがままならなければ友人、最後は公的機関を頼ることになっていきます。
しかし、相談をするたびに申し訳ない気持ちでいっぱいになり死にたくなるくらい惨めな感情に襲われてしまうのです。
・社会信用的な不安と絶望
無職の状態だと様々な面で制約が課せられます。
収入が証明できないため、クレジットカードが作成できない、車や住宅のローンが通らない、賃貸契約したくても部屋を貸してもらえない……。
これらは職があるときはなかなか気づきにくいですが、無職になると直面せざるを得ない問題の一つです。
日本において職があることが社会的信用と直結しているため、「無職=社会的信用がない」と同義されがちです。
そして、さらに絶望的な状況になると
家賃が払えず部屋を追い出される
↓
無職のため部屋を借りたくても借りられない
↓
仕方なく就職を目指す
↓
しかし、住所不定のためどこにも就職できない
という流れに飲み込まれてしまい、無職からホームレスへ転落してさらにその環境からの脱出も難しい状況になってしまうことも。
・健康面の不安と絶望
無職であると生活リズムを崩しがちで、あまり健康に気を使わなくなり、身体に不調を訴えるケースがあります。
身体に不調が発生すると、うまく次の就職先が決まっても続けることが難しく、結局またすぐに無職に戻ってしまう場合があります。
また、無職の状態は気がふさぎ込んでしまいがちであることから精神面で徐々にダメージを受けてしまうことも。
精神面での不調は周囲からもわかりにくく、気づいてもらったときには再起に時間がかかるくらいの状態であるときも。
もちろん、精神面の不調が身体の不調につながっていくこともあります。定番としては、不安から睡眠障害や過呼吸、食欲不振など。
さらに、厄介なのは精神的な不調は就職の際も周囲の理解を得てもらいにくい問題が存在します。
そのため、面接の際にも性格が暗いなど揶揄されることも。結果として再就職のハードルがより高くなってしまいがちです。
2.無職に襲いかかる4つの絶望と不安の対策
それでは無職に襲い掛かる不安などはどのようにして対策していけばいいのでしょうか。
・人間関係の対策
人間関係の対策として、まずは人とのつながりをできる限り断たないよう心掛けるようにしましょう。
そのうえで、自分が信頼できると感じている人は無職の状態でも相談はできるようにしておくことが理想的です。
それが友人であったり、兄弟姉妹であったり、親でも構いません。
しかし、そういう関わりを持てる人ばかりではありません。
その場合はまず自身が就職に至るステップにかかわってくれる人を積極的に頼るようにしましょう。
ハローワークや地域若者サポートステーションのスタッフなどの公共機関の関係者から、就職や転職のエージェントなどです。
彼らは仕事で就職をサポートしてくれる人たちであるため、よっぽどのことがないかぎり一方的に切り捨てられることはありません。
プライベートのことなどは相談しにくい面もありますが、就職で抱えている問題などは相談がしやすいです。
逆に仕事でこちらにかかわってくれるのであれば割り切って積極的に交流することをおすすめします。
・金銭的な対策
基本的に貯金をしてから無職になるのが理想です。
しかし、現実なかなか難しいのが事実です。
そのため金銭面でどうしようもなくなってしまった場合、できるかぎり早く周囲の援助を頼るようにしましょう。
その際に返却の期限を決めたりなどができれば援助する側も安心することができます。
周囲からの援助が難しい場合は公的機関の助けを借りるようにしましょう。
公的機関からの金銭援助は厚生労働省のページで具体的な内容のものが公開されているので、自分に適したものを申請できるか相談してみましょう。
参考:失業して生活にお困りの方など、一時的に生活資金などが必要な方を支援するための「生活福祉資金貸付制度」があります。
・社会信用的な不安と絶望
現代日本において住居は自身の社会信用を保証する最低ラインとなってきています。
そのため無職になった結果、家賃滞納して素直に退去してしまうと、どこに住んでいるかを証明できる住民票が発行できません。
公的な手続きなどが一切できなくなってしまうケースが多々あります。
そのため、まずは家賃を滞納した状態であってもすぐに退去するかたちでなく分割での支払いができないかなど支払いの意志がある旨を速やかに大家や家賃保証会社に相談するようにしましょう。
国も住宅が確保できなくなると社会的に生きていくことが難しいことを把握しています。
そのため、住宅確保給付金と呼ばれる公的支援も用意しております。
参考:厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要
これらを駆使してなんとか住居だけは確保するようにしましょう。
逆に住居さえあれば、就職をしてから落ち着けば取り戻すことができる社会信用になりますので、あまり焦りすぎないよう気を付けましょう。
・健康面の対策
健康面は一番対策が取りやすい分野ですが、なかなか自覚が持ちにくい側面があります。
まずは乱れがちな生活習慣を整えるようにしましょう。
無職が続くとつい夜不可無しなどを繰り返してしまい、昼夜逆転生活に突入してしまいがちです。
昼夜逆転生活の直し方はこちらでも詳しく解説しておりますので、ぜひご確認ください。
また、無職期間は金がかかることから医療機関を忌避しがちです。
こちらも生活福祉金の貸付制度のほか無料低額診療と呼ばれている制度を使えば、無料や半額にまで料金安くしてもらえます。
こちらの全日本民医連のページでエリアごとに該当の制度に取り組んでいる事業所を紹介しています。
詳しくは近所の事業所に確認してみましょう。
まとめ
無職の状態が続くと様々な側面で困難がふりかかりがちです。
さまざまな対策で困難と向き合うのも一つの手ですが、やはり根本的な解決方法は無職から脱出することです。
すぐに就職することが難しい場合でも段階を踏んで、少しずつ自分が就職へたどり着ける行動を小さなことから始めていきましょう。