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ニート

2022.06.29 最終更新

2021.12.01

高齢ニートの絶望の未来|その原因と今すぐできる対策を紹介します

少子高齢化社会が着実に進行しつつある中、ニートのまま高齢になってしまい、悲劇的な結末を迎えたケースがでてきています。そうならないために高齢になる前にできることをご紹介いたします。

3行でわかる記事まとめ

・35歳以上から『高齢ニート』と呼ばれるようになる


・高齢ニートになると自分だけの問題ではなく家族としての問題になることも


・早めに国の制度や支援サービスに頼ろう


Contents

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1.高齢ニートっていくつから?

『高齢ニート』と聞くと、みなさんはいったい何歳くらいの人を思い浮かべるでしょうか。

ニートという呼称はもともとイギリスの労働政策に関しての調査報告書内で引用された内容である

Not in Education, Employment, or Training
(学校に通わず、働きもせず、職業訓練も受けない)

の頭文字から取られています。

上記のように就学&就職をせずに無気力に過ごしている人たちを対象とした呼称がニートです。

語源はイギリス発祥ですが、この略称が一般的に浸透しているのは実は日本のみです。

そして、本来イギリスの調査報告書内で言及されていたのは16歳から18歳を対象としていました。

ニートの語源や由来などに関してはこちらの記事でさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

【決定版】ニートのすべて|ニートの由来から、割合、実態、脱出方法まで完全解説

日本の厚生労働省は15歳から35歳までを『若年無業者=ニート』と定義しています。

https://honkawa2.sakura.ne.jp/3450.html

そのため、35歳以上から『高齢ニート』と呼ばれるようになります。

 

2.高齢ニートが直面する8050問題とは

ニートのまま高齢になっても家族以外に迷惑かけてるわけじゃないし……。

と考える人もいるかもしれません。

『高齢ニート』の最大の問題はニートを支えていた家族もともに高齢化し疲弊していくことです。

親が80歳、子供が50歳を迎えたころに限界を迎えて問題が顕在化してくることから、8050問題として取り上げられるようになりました。

 

8050問題の例:

父親は現在80歳。母親が70歳の家庭。

定年退職から20年ほどたち、本来であれば退職金で悠々自適な生活を送る予定でした。

しかし子供が大学卒業後一度就職を果たすも、人間関係で問題を起こし退職。それ以降、一切仕事をせず30年近く引きこもっており、きづけば50歳。

父親のささやかな年金から子供の分の生活費をやりくりしているような状況です。そんな中、親も健康面でさまざまな問題が発生します。

年齢的にも施設や病院に入所、入院を検討してもおかしくない状態です。しかし、子供はいまだに自立できておらず、精神的にも不安定な面が目立ちます。

金銭面も生活面も援助が必要なため、家を離れることができない状態に陥ります。

もっと早い段階で公的な援助や、周囲に相談ができればいいのですがニートの子供がいることを恥じていままで具体的な相談を行ってきておりません。

結果として、孤立無援の状態で問題解決の糸口も見いだせずに親も子供も八方ふさがりに。

 

 

恐ろしいことにこれらは決してレアなケースではありません。

2019年の調査では高齢ニートに該当する引きこもり、準引きこもりの人数は全国で推計61万人いるという調査結果があがっております。

参考記事:中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査

そしてこれら61万人を今後、税金などで援助していかなければならない可能性から、高齢ニートを国は大きな問題として、対策に乗り出しています。

 

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3.高齢ニートの最悪の末路

孤立無援、だれにも頼れなかった高齢ニートとその家族はどうなっていってしまうのでしょうか。

実際に8050問題が顕在化し最悪の結末を迎えてしまったケースをご紹介します。

 

・親の死体と同居

親が死んだ後も公的な機関に届け出をおこなわないケースです。

長期間、親の死体と同居するケースがほとんどで結果的に死体遺棄の疑いで逮捕されています。

なぜ、届け出をおこなわないかの理由はさまざまです。

死んだ後も親と離れたくなかった、親の年金を生活費にあてていた、無気力すぎて何も行動ができなかったなどがあげられます。

参考:父の遺体放置に年金不正受給で逮捕、「引きこもり」58歳息子の複雑な胸中

 

・孤独なまま死去

両親がなくなったあと、どうすれば助けてもらえるかもわからず、相談相手もいないため孤独に死を迎えたケースです。

長い期間のニート生活のため、生活能力はほぼなく、家事も行えない。

行動する気力も発生しないセリフネグレクト(自己放任)状態のため本当に必要最低限の行動しかできず、社会復帰も難しい

誰にも助けるための筋道が立てられず、死んだ際も発見されるまで時間がかかる場合もあるそうです。

参考:孤独死した40代男の部屋に見た20年に及ぶ孤立

 

・犯罪に手を染めてしまう

日々食っていくお金も稼げないため、窃盗などの犯罪に手を染めるケースも存在します。

刑務所のほうが、何も考えず生活ができるためいっそのこと収監されてしまいたいと短絡的な理由で、犯罪に手を染めてしまうケースも発生します。

また、周囲の環境すべてが自分に害するものと思い込んでしまい、他者を傷つけてしまうことも。

 

こちらの記事でさらに詳しいニートの末路に関してもご紹介しています。

 

【本当にあった】ニートの地獄の末路5選|引きこもりが迎えた悲惨な結末

 

4.高齢ニートの脱出の仕方

高齢ニートになってしまったら、どうすれば脱出することがいいのでしょうか。

 

・サポートを求める

高齢ニートになった人にはプライドが高く、自分一人で解決できると思い込んで、周囲に助けを求めないケースが多いです。

しかし、この段階に入ってしまうと独力でのニートの脱出は難しくなっています。

ハローワークなどの公的機関や、ニートの支援をうたう民間機関などが存在しているので、そのような機関に相談することも検討してみましょう。

また、家族もニートを脱出したいという意思が伝われば、積極的に協力してくれるケースも見られます。

 

・雇われる以外の方法も考えてみる

雇われなくてもしっかり金銭や生活面で独立できていれば、問題はありません。

最近はフリーランスで働く人も増えたため、以前に比べてハードルは大きく下がりました。

自身のスキルや資格の取得などで、雇われる以外での働き方を見つけることも考えてみましょう。

 

・精神的に安定できる環境に身を置く

ニートの大半が精神的に不安定な状況にいることが多いです。

どういう形でも、精神的に安定できる環境に身を置くことが重要です。

実家で家族の視線がプレッシャーに感じるのであれば、実家を出て生活することを検討するのも一つの手です。

積極的に環境を変化させるのはたいへんなことではありますが、その分自身が納得できる環境であれば、ニート脱出の最初のあしがかりになります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

高齢ニートはその期間が長ければ長いほど脱出が難しくなっていきます。

重要なのはできるかぎり早い段階で、なんとか脱出の筋道を立てていくこと

そのため、ニートであることを恥じたりせずに、様々な人に相談を行い助けを求めてみましょう。

そして、ステップアップ形式で小さなことから徐々に社会復帰を目指していきましょう。

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